偉い―君が言う偉い人ってなんだ。
肩書きか、それとも地位のことかな?
肩書きで人を並び替える、そんな整理は私にはできない。
「びびるなよ。」と、若い商社マンに言い聞かせながらも、
目上には彼が気付くよりも先にさっと頭を下げて、ニコリ。
『・・・勝負はこれからだ。』
CMの渡辺謙氏、とってもかっこいいですね。
そういえば4月は、フレッシュマンのシーズンでもありますね。
ここ堂島の交差点でも、おろしたてのスーツにぎこちなく身を
包んだ若者が、上司らしき年配の方に連れられて、お昼時に
足早に歩いて行きます。それは早くも、すっかり溶け込んだ様
子で談笑しながらだったり、いかにもと緊張した面持ちで、上
司の後ろに張り付くようにだったり。因みに私は、“ぎこちな過
ぎる白衣”からのスタートでした(笑) でも、スーツがくたびれて
いく度に、社会人としての、自分の立ち位置や距離感を覚え
ていったり、惑わされたりするものですよね。
学生時代までに、自分をつくり上げてきた“何か”。友達や恋人
の影響だったり、はたまた、ずっとなりたくないと思いながらも、
本当はいつの間にか憧れていた大人の背中の残像だったり。
社会人であるということは、そんな“何か”を嘯(うそぶ)いたり、誰
かを陥れたりすることで守るのではなく、冷めてしまいそうにな
る気持ちを一生懸命温めながら、周りと歩幅を合わせていける
ストライドを身につける。そんなことだと思います。
仕事をするにあたって、それが正しいことならば、そこに自分が
真直ぐ向き合っているかどうかということが、最も大切だと考え
ます。真直ぐでいつづける事が出来るならば、きっとそれが目標
に対しても一番の近道になるでしょう。 よしんば、腰を折られる
ようなことがあったとしても、簡単にブレたりしない筈ですから。
道半ば、私もそんな心持ちで、いつも仕事をしているつもりです。
大人になる。
社会人になる。
若さのエネルギーを忍ばせながらも、引くところは引くことので
きる気概を持つ。そして、思う。『勝負はこれからだ。』