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インプラント、古今東西。 2011.07.05更新
オッセオ・インテグレーション・システム(チタンが骨と結合するインプラント
歯根部分の様式)が確立されるひと昔前は、サファイアインプラントという
焼結サファイアを顎骨内に埋入して歯根部分とする方法が、国内で一時
流行しました。しかし、これらのマテリアルは骨との結合力がすこぶる弱く、
維持力をアンカー (錨) 型という引っかかりの強い形状に委ねるしかなく、
結果、歯周病や口腔常在菌など要因は様々ですが、インプラントが雑菌な
どに感染した場合にはたちまち骨内で不安定となり、その形状ゆえに撤
去することも容易ではありませんでした。病院口腔外科では、これらの撤
去になかなか苦戦した覚えがあります。
多用されたサファイア製 (透明の部分です。)
では、どんなインプラントが良いのでしょう。生体内で永続的に非自己である
異物が維持されていくのに必要なこと、一言で言えば為害性を排除した親和
性が材料に必要不可欠です。そして、咬合圧に耐えうる強度。もちろん、イン
プラントが炎症を起こしてしまっては、それを取り去るときのことも考えなくては
なりません。ということで、形状。原則的にインプラントの形状は埋入しやすく、
且つ撤去しやすいものでなくてはいけないのです。世代が移り、サファイアや
セラミックにとって変わったチタンを用いた歯根部分。はじめにお話した、オッ
セオ・インテグレーションというシステムはこのチタンという卑金属が骨と結合
する性質を応用したものです。デンタルインプラントメーカーは今や世界で300
社を軽く超えます。その中でも滅菌レベルや骨伝導性、生体力学的見地から
骨に見合ったインプラントを選択しなければなりません。であれば海外シェアの
安価なだけのインプラントが決して良い訳ではないのです。
今だけではなく、ずっと噛める歯を提供したい。
“インプラントセンター”であるからこそ、考えること。
温故知新で、一石を投じていきたいものです。

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