今から100年ほど前、ドイツに「シュレーディンガー」と言う名の王様がいました。
その王様は、たいそうイタズラ好きで、無理難題を考えては、いつもみんなを困
らせていました。
ある時、箱のような装置を作り、町一番の天才を呼び付けて、こう言いました。
シュレーディンガー 「この箱の中には、①放射性原子 ②その原子が分裂したかど
うか検出する装置 ③毒ガス ④猫が入っておる。箱をあけようとすると原子が分裂
して、検出器が作動し、毒ガスが出る。当然、猫は死ぬことになる。さて、ここで問
題じゃ。この箱を開けずに、中にいる猫を生け捕りにしてみよ。」
またもや、無理難題です。箱を開けずに猫を生け捕りにすることなど、出来るはず
がありません。町一番の天才は、しばらく考えてこう言いました。
町一番の天才 「生け捕りにするためには、捕獲作業を始める段階で、生きている
と言う保証が必要です。箱を開けずに、生きているという証明をしていただければ、
作業を始めましょう。」
シュレーディンガー 「ギャフン」(注:100年前なので、死語ではない・笑)ここまでだ
と、一休とんち話の“虎狩り”にも似たお話ですよね。
ただドイツでは、この物語のことが元になって、“自分の出来ないことは、他人に要求
してはいけない。”と言う意味の諺で、『シュレーディンガーの猫』と言う教訓があるそ
うです。今や、全国区にまで飛び火してしまった壮大計画・大阪都構想。新政権には
是非、シュレーディンガーの猫にはなって欲しくないものですね。