梅雨空と傘かしげ
2013.06.20更新
空梅雨だと思っていた6月も、思わぬ台風の上陸で、関西も一面雨模様です。久しくも本格的に降ってきた雨のさなか、傘を差して梅田を歩いていると、ふと思い出すのが “傘かしげ” というマナー。道ですれ違うときに傘と傘がぶつかったり、雫がかかったりしないよう、相手と反対側に傘を傾けることをいい、さかのぼること300年、江戸時代の商人から生まれた仕草だそうです。相手を思いやる心から生まれたこの傘かしげは、現代にも通じるマナーですね。お互いがちゃんと心得ていて、傘かしげができると気持ち良いでしょうし、相手に心得がなければ、こちらだけでも傘かしげをすればその気配りが伝わって、雨の路もみんな気持ち良く歩けるのだと思います。
そんなことを考えながら、ふと頭を過ったいらない話。雑踏するせまい往来で、左からも右からも傘を持った人が所狭しと歩いて来たときには、『あれ?うん?どっちにかしげれば良いんだろうー。』 梅雨のこんな日に“傘さしげ”と、その“水を差す話”。うん、私もまだまだです。